わたしものがたり

ある夜、わたしは物語のように記録を書いたら素敵かな、と思った。

2024年4月16日 火曜日 21時50分

文章を書こう。
電灯を消した暗い部屋で、わたしはベッドに横になったまま、スマートフォンを手にした。
昨日、寝る直前に、物語のように記録を書いたら楽しいのではないか、というアイディアを思いついたのだった。

このところ、またはてなブログをやろうと朧げに考えていたところだった。
ブログやSNSでやりたいことがたくさんあった。

きっと、全てが中途半端で終わる。
幾度となく、ブログやSNSを広げては閉じてきたのだ。
だから、きっと今度だってそうなる。
わかっていても、やらずにはいられなかった。

10代の頃、よく読書をしていた。
小説家を目指し、物語を書いていたこともあった。

しかし、30代になった今、物語という夢のような世界へと続く道も、小説を書くという儚い夢も、とっくに現実という濃霧の中に消え失せていた。

今、その霧が晴れたわけではない。
ただ、なんとなく、こうして文章を書くということをまた始めた。

これが運命だろうか。
「いや、気まぐれかな」
しばし、親指を静止させたのち、わたしはそう心の中でつぶやいた。

一通り打ち終えたわたしは、記事のタイトル欄に「序章」と入力した。
そして、すぐに思い直して消した。